バド女子48年ぶり金に貢献 “フクヒロ”ペアが秘める強い絆
半世紀ぶりの快挙だ。
22日、アジア大会(ジャカルタ)でバドミントン女子団体が金メダルを獲得した。ダブルスで出場した「フクヒロ」こと福島由紀(25)・広田彩花(24)ペア(世界ランク1位)は昨年の世界選手権で優勝した中国ペア(同3位)をストレートで撃破。宿敵の中国を倒し、48年ぶりに頂点に立った。
フクヒロは、つい3カ月前まで移籍騒動の渦中にいた。発端となったのは、2人が傾倒していた再春館製薬所の今井彰宏元監督だった。今井元監督は、選手が大会で獲得した賞金の不正流用やスタッフに金銭を要求した恐喝未遂容疑で監督を解任され、今年2月に退社。「岐阜トリッキーパンダース」に移籍した。
すると今年4月、フクヒロも今井氏の後を追って再春館を退社した。2人はトリッキーパンダースへ移籍の際、文書で「引き抜きではなく押しかけ」「一歩上を行くには、彰宏さんのサポートが必要」と今井氏への信頼を示していた。
体操女子でも、速見佑斗日本代表コーチ(34)が、選手への暴力行為により日本体操協会から無期限登録抹消処分になったものの、暴力を受けたとされるリオ五輪代表の宮川紗江は「私は8年間速見コーチと共にオリンピック金メダルを目標に毎日家族のサポートを受けながら信頼してコーチと頑張ってきました。金メダルという目標は、速見コーチとだからで、他のコーチとでは私の望む事ではないし、意味がありません。暴力は良くないことだとはわかっていますが、私は速見コーチに対して、パワハラされたと感じていません」との直筆文書を発表した。
スポーツ界における師弟関係の絆は家族よりも強いといわれている。バドミントンのフクヒロも女子体操の宮川もそうだが、絆が強いほど、本人たちにしか理解できないこともある。