【なでしこ現地ルポ】北朝鮮という“大きな山”を乗り越えた
アジア大会準々決勝で強豪の北朝鮮と戦ったサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は岩渕真奈(INAC神戸)、長谷川唯(日テレ・ベレーザ)のゴールで勝利した。
62分に2点目のゴールを決めた長谷川は、今や、なでしこジャパンに欠かせない存在となった。身長157センチだが、その行動域は無制限だ。持ち場の左サイドハーフから、最前線、逆サイド、中央から最終ラインまで全力で走り回る。「ボールが欲しくて無駄走りをしてしまう」と言うが、ボールを受けてこそ、彼女の強みが増す。そこに視野の広さと素早い判断力が加わり、ピンチの芽にいち早く気付くのも当然だ。
豊富な運動量がたたって後半に足がつり、無念の途中交代となった。本人は「みんながキツイ中でやっていたのに申し訳ない」と反省することしきりだが、ダイレクトで仕留めた豪快なゴールで勝利を引き寄せ、十分にお釣りがきそう。自分のゴールについては「超奇跡」と笑うが、それにしては落ち着き払った豪快なゴールだった。
インドネシア特有の蒸し暑さにも慣れたとはいえ負担は大きい。日本から大量に持ち込んだ雑炊やパスタソースなど口に合った食事を取っても90分間走り通す消費カロリーに追いつかない。