大迫が2時間5分台新記録も…日本マラソンの未来に厳しい目
陸上ジャーナリストの菅原勲氏が言う。
「自分で考え、行動力がある大迫が日本新記録を出したといって、実業団選手が5分台の記録を次々に出すという流れにはなりません。大迫のように人生を懸けて、本気で五輪のメダルを取るつもりでなければ、結局は駅伝重視のチーム方針に従うだけ。記録は伸びない」
東京で2時間6分台を出した設楽は実業団の「ホンダ」に在籍している。しかし、マラソンに関しては自己流のトレーニングを貫いている。40キロ走などの走り込みを「昔のやり方」と否定し、海外や国内のハーフマラソンで力をつける練習法をチームが認めているからだ。
この日はくしくも出雲駅伝が行われた大学も、関東の強豪校は正月の箱根駅伝がすべて。実業団と同じく、マラソン軽視の実態は変わらない。
「スピードに勝るアフリカ勢に立ち向かうのが大迫一人では厳しい。2時間5分台の新記録が国内のマラソン界、いや、実業団のあり方を変えるきっかけになればいいのですが」と前出の菅原氏は言う。