不祥事で話題に “故郷”を失った近鉄OBの切なさと悲しみ
先日、法政大学硬式野球部の真木将樹助監督が過去に起こした部員への暴力事件と報告遅れなどにより、4カ月の謹慎処分を受けた。真木助監督は元近鉄のドラフト1位投手で、引退後は実業家としても活躍していた。
その少し前、同じく元近鉄のドラフト1位投手で、名古屋経大高蔵高校硬式野球部の酒井弘樹監督も部員に暴力的指導を行ったとして、謹慎処分を受けた。さらに今年9月には元近鉄のリリーフエースで、引退後は野球解説者として活躍していた佐野慈紀氏が、元同僚である野茂英雄氏から多額の借金の返済未払いにより訴訟を起こされるというニュースもあった。
これらを受けて、私は元近鉄という共通するワードに引っかかった。いや、断っておくが、「だから元近鉄は――」とか「大阪の昭和的ないてまえ野球で育ったから――」とか、そういった元近鉄の体質みたいなものに言及するつもりはない。そもそも、たった3つの事例でそれは無理がある。
ただし、他の球団の元選手が起こした不祥事よりも、その切なさや悲しみが増すように感じるのは、彼らが元近鉄だからだろう。ご存じ、近鉄バファローズという球団はもうない。2005年に当時のオリックス・ブルーウェーブと合併し、オリックス・バファローズというまったく別の球団が新たに誕生した。