村上佳菜子も「やらせない」フィギュアに2世が少ないワケ
「フィギュアスケート出身の女性の場合、自分が幼少期に味わった苦しみを、娘にまでさせたくないというのが本音でしょう」と言うのは、あるフィギュア関係者だ。
「食事管理、送り迎え、衣装作りなど、母親が占める役割がかなり多い。特に女子の場合、体重管理がシビアで、食べ盛りの時期に好きなものも食べさせてあげられない。太ると、親がコーチに呼び出されて叱られるんです。親は娘が夜中に空腹で食べ物を漁らないように隠したり、冷蔵庫を空にしたり……。我が子を苦しめているのではという葛藤で苦悩する母親がほとんどですから」
しかも、とにかくカネがかかる。オーダーのスケート靴は1足約20万円。半年ごとに交換するのが一般的で、靴だけで年間40万円かかることになる。以前、日刊ゲンダイで連載していたバンクーバー、ソチ五輪代表の鈴木明子は、経済面の負担についてこう語っていた。
「貸し切り練習でかかるリンク使用料や、世界の大会に転戦するための遠征費、ショート、フリー、エキシビションの衣装代も決して安くはありません。そこにコーチへの月々の指導料、プログラム制作費用などが加わる。全てを含めると1年間で数百万円単位の費用が、選手に重くのしかかってくるのです」
少しでも経費を抑えるため、羽生(結弦)や小塚は母親に衣装を作ってもらっていたという。
「2世」が少ないのも納得だ。