巨人由伸監督を追い込んだフロント現場介入と身内の裏切り
就任3年目の今季も優勝を逃し(3位)、巨人・高橋由伸監督(43)は成績不振の責任を取ってユニホームを脱いだ。退任会見では「すべて私の力不足」と謝罪。しかし、水面下では各方面から足を引っ張られていた。
フロントから由伸監督に度々「天の声」が届いたという。球団関係者は「打順などの進言、提案で、決して命令ではなかった」とはいうものの、由伸監督の性格上、お偉いさんの提案をムゲに突っぱねるわけにもいかず、苦悩していたという。
当時の鹿取GMとの確執も大きな要因だ。補強ポイントを伝えてもトレードに動いてくれることはなく、ドラフトも失敗続き。編成面がほぼ機能不全に陥り、由伸監督の首をジワジワと絞めていった。前出の関係者がこう言う。
「鹿取GMが由伸采配についてあれこれ言うようになり、それが球団幹部や由伸監督の耳に届いた。雰囲気は最悪。最後の方はぐちゃぐちゃになっていました」
二軍との意思疎通、連携も問題だった。一軍首脳陣の「一軍で使いたいから今日のファームの試合は2イニングにして」といった要望が、なぜか二軍に伝わらず、その投手が4、5イニングを投げることが続いたという。二軍はリーグV4を果たしたものの、4年連続でV逸した一軍に還元されることはなかった。
身内からも「求心力がない」「野球を知らない」などと陰口を叩かれた。孤立無援のような状態になり、最後は自身でケツをまくった。山口オーナーは「再び巨人のユニホームを監督として着てもらうことを願う」と話しているが、本人がまた着たいかは別の話である。