FA市場の大物が売れ残る背景…“格下”より低い金額を拒否
そこでカイクルとキンブレルは開幕後まで待つことにした。例年、開幕早々、エース級やクローザーが故障で長期離脱する球団がいくつか出るので、その中からオファーをよこす球団が出ると確信したのだ。
■ドラフト1巡目指名権
その読みは当たり、今季はブレーブスとブルワーズが開幕早々クローザー不在になり、キンブレル獲得を検討し出した。すぐに決まらないのはキンブレルがAランクのFA選手であるため、獲得球団はドラフト1巡目指名権を旧球団(レッドソックス)に差し出さないといけないからだ。
この2つの球団は育成力があり、これまで1巡目指名選手を何人もエース級に育てた実績がある。簡単に捨てられるものではないのだ。しかし、どちらも優勝を争う球団で、キンブレル獲得に傾いているように見えるので、契約先は数日中に決まるとみられている。
カイクルの場合は、まだ大きなニーズが生じていないので、もう少し時間がかかりそうだ。下手をすると6月上旬のドラフト終了後まで待つ羽目になるかもしれない。獲得に興味を示している球団は複数あるが、どこも1巡目指名権を失いたくないため、動くとしてもドラフト終了後と考えているからだ。 (スポーツライター・友成那智=隔週月曜掲載)