相撲とは“無事これ名馬” 新大関・貴景勝ずぬけた運動神経

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 昨今、大相撲で親方衆を悩ませている問題がある。弟子育成に関することだが、指導力やスカウトではカバーが難しい問題だという。

 古株の親方のひとりは「運動神経ですよ」と、こう続ける。

「簡単に言えば、運動神経のいい子が角界に入ってこない。昔はスポーツで一旗揚げて稼ごうと思ったら相撲かプロ野球くらいしかない時代でしたからね。生まれつき運動神経に長けた力士が多かった。それが現在は、最初から相撲をやろうという子がほとんどいない。結局、『他のスポーツでは通用しないけど、相撲なら……』という子が多くなった」

 素質のある子とただのデブ、どちらが強くなるかは言うまでもない。

「実力もそうだけど、一番はケガです。運動神経の優れた子は、自分の体を保護する術に長けている。例えば投げられたときにうまく受け身を取る、土俵下に転落するときは体を丸めて落ちるなどです。ところが、運動神経が鈍いと余計なことをしがち。受け身を取れずにとっさに手をついて腕を痛める、不利な体勢で無理に残そうとして足腰をケガする……。いくら教え込んでも、生来の運動神経だけはどうにもならない」(前出の親方)

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