“投壊カープ”がいつの間にか防御率リーグトップの紆余曲折
不安定な投手陣。リーグ3連覇を達成した広島の以前からの課題だった。最下位にあえいでいた開幕1カ月はその懸念材料が露呈していたが、ここにきて大きく改善されてきた。
14日現在、チーム防御率はリーグトップの3.21。155失点は同3位だが、自責124はリーグ最少だ。
立て直した要因のひとつは、再編された先発陣にある。春季キャンプ前には緒方監督が「先発10人構想」を発表。佐々岡投手コーチも「一岡と中崎以外は先発の可能性がある」と公言した。それは現実となり、開幕直後はリリーフだったアドゥワ誠(20)が4月下旬に先発転向。4試合目の先発登板で1失点完投勝利を収めた。
昨季は前年に受けた手術の影響で登板ゼロだった床田寛樹(24)も「10人構想のひとりで、ここまでローテを守って防御率はリーグ5位の2・36。一方、構想の一角だった岡田明丈(25)は乱調で早々と二軍落ち。九里亜蓮(27)も不振で中継ぎに降格となり、代わりに昇格させた中村祐太(23)が急場をしのいだ。岡田や九里のような事態に備え、候補の頭数を揃えて臨んだプランが、ここにきて形になってきたのだ。