予想覆す本塁打量産 ツインズ打線「ハードヒット」の正体
フライボール革命は一昨年にメジャー全体で6105本という歴代最多の本塁打数をもたらしたが、昨年は5585本と500本以上も減った。
■投手と野手のイタチごっこ
野球は投手と打者との攻防、単純に言ってしまえば両者の化かし合いである。高めへのスピードボールや上下の変化を利用したカーブボールの多投など、投手側のフライボール対策がこのような現象を生んだ。それによりメジャー全体の三振数も増え、昨年は史上初めてメジャー全体の三振数が安打数を上回った。
そこで今度は打者側からの対策が生まれた。
そのひとつに挙げられるのが強打、つまりフライボールを打ち上げようとするのではなく、好球を逃さずジャストミートする。打球の角度やシフトにはある程度、目をつぶっても(もちろんその先はアストロズに見られるシフトの逆方向への強打という考えにもつながっていく)、速度の速い打球を打つ、いわゆるハードヒットの考え方だ。実際、今季、打球の角度はメジャー全体として下がる傾向にあるが、逆に打球の初速平均は上がっている。