予想覆す本塁打量産 ツインズ打線「ハードヒット」の正体
昨年のレッドソックスがこのハードヒット、好球強打を掲げてワールドチャンピオンに輝いたことは記憶に新しい。
この好球強打が得点に結びつき、その副産物として本塁打の激増を生み出しているのがツインズといえる。打球を高く上げてシフトの上を越すのではなく、強く速い打球を放つことによってシフトの間を抜いたり、それが結果として本塁打になったりする。あくまで投手と野手のイタチごっこから導き出したデータ上の戦略であって、そもそも本塁打を打てる打者が、やみくもに振り回しているのとは訳が違う。例えばヤンキースは82試合で719三振なのに、ツインズは83試合で662三振しかしていない。
数字も顕著だ。チームとしてのOPS(On―base Plus Slugging=出塁率に長打率を加えた数字で、打者がどれだけの確率で出塁し、どれだけの数の塁を稼ぐか、その結果、得点へ結びつけることができるかを示した指標)はツインズが現在メジャートップ。それにより生み出されたチーム総得点も、82試合で471点とメジャートップ。相手チームとの得失点差はプラス114点でメジャー2位。強打がしっかりと結果につながっているのだ。
82試合を消化した時点で53勝29敗。ヤンキースやアストロズを抑え、堂々のリーグトップに立っている。 =つづく
(米紙コラムニスト・ビリー・デービス)