FA美馬狙う巨人が助言求める OB・大学恩師は何を話したか
FA宣言したロッテの鈴木大地(30)、楽天の美馬学(33)の獲得に乗りだしている巨人は、2人の調査を進める段階で多方面から情報を収集した。交渉の窓口になっている大塚球団副代表はその結果、「2人とも人間性がいい」と判断。美馬については、巨人OBで中央大野球部の投手コーチ・監督時代に指導した恩師の高橋善正氏にも話を聞き、「最高の人間」と太鼓判を押されたことを明かした。
そこで、高橋氏本人に聞いてみた。
「私が話をしたのは、投手としての能力、実力以前に人間性のことです。彼が大学4年時、東都2部優勝がかかった試合で投球中に右ヒジを骨折した。ホメられたことではありませんが、そういう状態でも、チームのために投げる気概、勝負根性がある。大学時代から彼の太もも回りは60センチ以上あった。走り込みのたまもので、とにかくよく練習した。上級生になってもグラウンドを去るのはいつも最後。2学年下の沢村(現巨人)ら後輩にも大きな影響を与えた。巨人の若い選手にも、その野球に取り組む姿勢は参考になると思います」
今季の美馬は8勝5敗(防御率4・01)。プロ通算9年で51勝60敗(同3・82)と特筆すべき数字は残していない。大学時代から右ヒジの故障を繰り返し、プロ入り後もほぼ隔年でヒジ痛を再発させている。その不安はあるものの、今季は25試合に先発して143回3分の2を投げた。2017年の171回3分の1をキャリアハイとして、150投球回以上を3度記録。原監督は「150回近く投げられる人は、そんなにいそうでいない」と高く評価しているのもその点である。