佐々木朗希にロッテが適用 “大谷ルール”の中身と反面教師

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導入時には「過保護だ」の声も

 このルールは、日本ハムが13年に大谷翔平が入団した際に導入した「大谷ルール」を参考にしたもので、昨年、ドラフト1位で甲子園のスター選手である藤原恭大(大阪桐蔭)のクジを引き当てたこともあり、導入に踏み切った。

「大谷ルール適用は佐々木にとってプラスになります」とは、さるロッテOB。

「まずは体力と肉体の強化が必要不可欠。今夏の時点で身長190センチ、86キロだった佐々木にとって、ケガを未然に防ぎ、安定したパフォーマンスを発揮するためにも、下半身を中心に体重は5キロ以上増やす必要がある。外出を制限すれば、寮できちんと栄養管理された食事をとれるし、自由な時間が増える分、自主的にランニングやウエートトレにも取り組める。本や映像を通じて野球頭を鍛えてもいい。日本ハムが13年にこのルールを大谷に適用した際は、『やりすぎ』『過保護だ』という声もあったが、むしろ野球に集中できる環境が整ったからこそ、実現不可能といわれた投打の二刀流をこなし、メジャー挑戦にこぎ着けたといえます」

■日ハムには中田翔という“苦い過去”

「大谷ルール」は、地方出身の佐々木を大都会の誘惑から遠ざけるメリットもある。

 放送関係者がこう言う。

「日本ハムがルールをつくったのは、大谷と同じ高卒1位で08年に入団した中田翔に手を焼いた反省もあるようです。中田は30歳を迎え、今でこそおとなしくなってきているそうですが、若手時代は業界関係者と街で飲み歩くことが多く、類いまれな才能がありながら一軍に定着するまで4年を要した。後輩選手を夜な夜な連れ回し、朝まで付き合わされた後輩選手が練習に遅刻したり、睡眠不足で野球に集中できなかったりして、中田と一緒に外出しただけで怒られた選手もいたほどだった。ましてロッテなどの在京球団には、東京の誘惑に溺れて朝まで酒を飲んだり女遊びをしたりして、消えていく選手が山ほどいる。佐々木は注目度が高く、有象無象の人間が近寄ってきても不思議ではない。悪い虫がつきづらい、というメリットもあります」

 プロとしての第一歩を踏み出した佐々木。来年1月からは、野球漬けの日々を送り、田中将大の背中を追いかけることになる。

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