佐々木や奥川…高卒新人を即戦力と計算してはいけない根拠
■基礎体力不足
「根尾は中日の二軍首脳陣が体力不足を指摘していた。藤原にしても同様で、バッティングの振りは鋭いのに、それが長続きしないとね。2人とも、それなりの技術はあっても、それをシーズンを通してコンスタントに発揮し続けるだけの基礎体力がないのです」とはある評論家だ。大阪桐蔭といえば、高校球界の頂点に位置する野球名門校。OBにプロ野球選手も多く、「プロ予備軍」とすら言われている。全国から野球のうまい中学生を集め、寮で鍛えている高校の卒業生が「体力不足」とはどういうことか。
「大阪桐蔭はつまり、甲子園で勝つための練習をしているわけで、プロで即活躍する選手を育てようとしているわけではない。OBにプロ野球選手が多いのは、あくまでも結果なのです」と、セ・リーグのあるスカウトがこう続ける。
「目標は甲子園で勝つことです。年に2回、春のセンバツと夏の甲子園で持てる力をフルに発揮できればいいわけで、限られた時間の中で効率の良いメニューを組もうと思ったら、基礎体力をつけるより技術を上げることを優先せざるを得ない。きつい走り込みをやらせるだけの時間と労力があれば、その分、技術指導や筋力トレにつぎ込みたいのです。根尾や藤原とともに春夏連覇に貢献した柿木も、日本ハムでは体力不足を指摘されたと聞きました。キャンプやオープン戦では140キロ台中盤のストレートを投げていたのに、ある時期から球速が130キロ台に落ちたといいますからね」