マエケン移籍は明らかにプラス…先発3番手で収入22億円増
キャンプイン目前のこの時期に、今オフ、メジャー最大のトレードが成立。その中にドジャースの前田健太(31)も含まれていたから2度ビックリだ。
レッドソックスからドジャースに移る2018年MVP外野手のベッツ(27)を軸とした今回の三角トレードで、前田はミネソタ・ツインズに移籍する。
ツインズは昨季、101勝(61敗)をマークしてア・リーグ中地区を制した強豪だ。チーム打率・270は30球団中2位、307本塁打は1位、総得点939は2位。メジャーでも一、二を争う攻撃力がある一方、課題は防御率4・18(30球団中8位)の投手陣。昨季2ケタ勝利の先発2人がFA退団したこともあって、先発を欲しがっていた。スポーツライターの友成那智氏がこう言う。
「前田にとって今回のトレードは明らかにプラスです。今季のツインズの先発ローテーションはべリオス(昨季14勝8敗)、オドリッジ(15勝7敗)の両エースを筆頭に頭数はいますが、ピネダ(11勝5敗)はドーピング違反で60試合の出場停止処分が解けるのは5月。ドジャースから移籍した39歳の左腕ヒル(4勝1敗)は手術明けで出遅れは必至です。アスレチックスから移籍のベイリー(13勝9敗)も故障リスクが高く、シーズンを通じた働きは計算しにくい。前田は両エースに次ぐ先発3番手で起用されることになるでしょう」
■32先発、200登板回数で総額は…
前田は先発にこだわりがある。ドジャースでは救援で好投しても、「断然、先発の方がやりやすい」と公言。投手陣の層が厚いチーム事情から、先発しても判で押したように五、六回で降板させられたばかりか、ここ3年はプレーオフが近づくとリリーフに回った。しかし、ツインズでは先発どころか、両エースに次ぐ3番手として期待されているというのだ。
そうなると、実入りも変わってくる。先発数と登板回数によって手にする出来高払いの額が増えるからだ。
前田は15年オフ、ドジャースと年俸約3億3000万円の8年契約を結んだ。当時のメジャーの平均年俸が4億円超だからかなり格安だが、その分、出来高払いが厚い。開幕ロースター入りで約1650万円、さらに先発数と投球回数が増えるにしたがって金額が膨らむ内容。32試合以上に先発、なおかつ200回以上投げれば、出来高の総額は約11億1650万円に達する。
働けば働くだけ実入りは増えるが、基本給はかなり安い。あまりにも球団にとって都合の良い契約内容に、当時の選手会が声を荒らげたほどだ。それはともかく出来高がデカいだけに、投手陣の豊富なドジャースから先発不足のツインズに移籍したことで、前田の稼ぎはかなり変わる。