独移籍のFC東京・室屋が迷いを断ち切った指揮官のひと言
因みに日本代表初キャップとなった2017年12月のEAFF E-1選手権の初戦・北朝鮮戦では「前半は全然ダメだったですけど、デビューとしてはこんなもんなのかなと思います。後半は落ち着いて修正できたかなと。ホーム(味の素スタジアム)のはずなのに、前半はテンパちゃいました」と低調だった代表デビュー戦を冷静に分析していた。
室屋の出番はこの1試合だけ。その後の2試合はベンチを温め、それからハリルホジッチ・ジャパンから声がかかることはなかった。
思うようなプレーができなかったとしても、本音を包み隠して虚勢を張ることは、プロの選手であれば珍しいことではない。しかしながら、室屋は質問した記者が拍子抜けするくらいマイペースを崩さないことが少なくない。目の前の現実(結果)に一喜一憂しないで淡々と受け入れる。この〈鈍感力〉も、室屋の大きな武器かもしれない。
FC東京では、ライバルだった徳永が2018年に故郷のチームである長崎へ移籍。新監督にG大阪で数々のタイトルを獲得した長谷川を迎え、室屋の時代が来たかのように見えた。しかし、長谷川監督はアンタッチャブルな存在を作らなかった。