陸上DeNAがチーム廃止…瀬古氏が口にしたタブーが波紋呼ぶ
両者にメリット
実業団OBがいう。
「実業団は駅伝重視で多くの部員を抱えているので経費は多額です。全日本実業団対抗駅伝で4年連続25度目の優勝を遂げた旭化成は、部員25人が全員長距離選手です。このような大所帯の陸上部は減っていくと思う。すでにマラソンの大迫(傑)や神野(大地)、18年のボストン優勝の川内(優輝)らがプロです。女子1万メートルの新谷仁美は積水化学の所属だがプロ契約です。企業とすれば、実力のある選手とプロ契約した方が、費用対効果の面でもメリットは大きい」
選手もプロになれば複数のスポンサーと契約できる。大迫は5社以上と契約。年収は5000万円前後といわれている。
瀬古氏は「私も現役選手だったら、間違いなくプロの道を選びました」と述べているが、実際、現役の時はボストンやロンドンなどの優勝で約4000万円以上の賞金を得ていた「セミプロ」だった。
一方で、瀬古氏の談話に顔を曇らせたのが大学関係者だ。
「陸上部縮小、プロ化についてはみんな理解している。口にすることを避けてきたのは、社会人で陸上を続ける選手が限られてしまうからです」
ちなみに長距離王国のケニア、エチオピア選手はほぼ全員がプロランナーだ。