箱根駅伝は無観客開催…背後に透ける「傲慢とカネと宣伝」
「中止」という選択肢はなかったようだ。
正月(往路2日、復路3日)恒例の東京箱根間往復大学駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟は20日、新型コロナ感染防止対策として、今年度の大会を「無観客」で開催することを発表した。
コロナ禍により、すでに10月の「出雲全日本大学駅伝」や、12月の全国中学駅伝、来年1月の男女の全国都道府県駅伝が中止になった。大学駅伝では、全日本(11月1日)は開催へ向けて準備を進めているものの、ファンの注目度は箱根の比ではない。
箱根は2日間で延べ100万人以上のファンが沿道を埋め、中継する日本テレビ系の視聴率は30%前後の「ドル箱番組」だ。沿道応援ができない来年の数字は「50%に迫るのではないか」という声もある。
あるマスコミ関係者が言う。
「無観客開催は、創設100周年の伝統と絶大なる人気によるものです。無観客なら、『中止にしろ』という声は大きくならないと読んだのでしょうが、駅伝は公道を長時間占拠するイベントです。主催者は観客数をコントロールできない。『沿道応援はやめてテレビを見て』というのは、感染防止策を打ったという“アリバイづくり”みたいなもの。そんな要請をどれだけの人が聞き入れるのか。応援自粛を求めた今年の東京マラソンでさえ7万人以上が沿道に集まった。ファンに対しては対策を講じず、沿道応援する、しないは観衆に委ねるだけでいいのかという声は必ず出てきますよ」