ロッテ大量感染でパンデミック!それでも試合優先の姑息
球界でコロナウイルスが猛威を振るっている。
6日、ロッテは4日にコロナ感染が判明した投手の岩下に続き、主力野手の荻野、角中ら7選手とコーチ1人、チームスタッフ3人の合わせて11人が新たに感染したと発表。保健所から岩下の濃厚接触者と認定された東妻、和田ら4人も含め、一、二軍合わせて22人に及ぶ入れ替えを行った上で、オリックス戦に臨んだ。
プロ野球では先日、阪神で計9人の感染者が出たばかり。3月の阪神の藤浪、伊藤隼、長坂の3選手が初めて陽性となって以降、これで選手の累計感染者数は21人となった。
これはかなりの高確率だといっていい。プロ野球12球団の選手は支配下、育成合わせて約950人。そのうちの21人だから、感染率は2.2%だ。日本全国の感染者数は累計で約8.5万人。人口1.25億人に対して0.07%、約1500人に1人だから、実に30倍である。
プロ野球は、月1回のペースで一、二軍関係者のPCR検査を行っている。感染者が出た時のあぶり出しも含め、一般人よりも圧倒的に検査回数が多い分、感染が判明するケースは増えるにせよ、先日の阪神は9月25日に陰性と診断されたチームスタッフがそのわずか4日後の29日に陽性と診断された。ロッテの場合も、岩下の感染が判明した4日に西武戦を行ったが、新たに感染が判明した荻野、角中、菅野らは試合に出場していた。感染リスクが高い上に、コロナ感染の後遺症も懸念される。選手は命を削ってプレーしているわけだが、試合は開催され続け、公式戦が中断する気配は全くない。球界OBが言う。
「NPBと12球団は、コロナに関するガイドラインで、<試合を継続するための根拠>をハッキリさせている一方で、<中止にする根拠>については、『試合2時間前までにベンチ入り26名が揃わない場合は、事前に試合中止を決定することができる』と記されているくらい。国の緊急事態宣言が出た場合はさすがに試合を中止せざるを得ませんが、仮にクラスターが発生したら中止にする、10人出たら中止にする、というような明確な基準はありません」
8月上旬、ソフトバンクは長谷川がコロナ感染、試合までに濃厚接触者の認定ができないことを理由に、試合を中止した。
「しかしその後、ガイドラインを改定。選手、チームスタッフから感染者が出た場合でも、濃厚接触が疑われる選手、スタッフを隔離した上で試合続行が可能と判断されれば、試合ができることになった。試合をいかにしてやめないか、ということに重きを置いたものになっています」(前出のOB)