サイ・ヤング賞左腕のリーが僕のグラブを欲しがった背景
僕はリーに経緯を説明した上で、アシックス製のグラブを見せると、目をキラキラ輝かせて食い入るように見つめています。
なにしろ日本製なので、アメリカ製のそれと比べると革のなめしや手触りなどは上質です。リーは「オレもこのグラブが欲しい!」と、いたく気に入った様子でした。
■カタカナの刺繍入り
そこで僕はアシックスの担当者に頼み込み、リーのためにグラブを作ってもらいました。日本語のカタカナで「クリフ・リー」と刺繍のおまけつき。プレゼントしたときは、笑顔ではしゃいでいましたね。
日本製の野球用品はアメリカでは人気がありました。特にアシックス製のシューズは他のメーカーよりワンランク上という扱い。スポーツ用品店に行くと、ナイキの靴が1万円以下で買えるところを、アシックス製のものは1万5000円などと高額でした。だからインディアンスの同僚たちには「そのスパイク、もう履かないならオレにくれよ」と言われたこともあります。
僕は常に新しいシューズを提供されていたので、多めに持っていたのは事実です。
できるものならプレゼントしたかったけど、僕の足のサイズは27センチと、野球選手としてはそれほど大きい方ではないんですよね。大柄なメジャーリーガーには、とてもじゃないがサイズが合わない。残念ながら彼らにシューズをあげることはできませんでした。