タッチの差で野茂英雄さんに会えず 大リーグ時代の心残り
僕がメジャーでプレーしたのは2008年と09年。この時期はさまざまな日本人選手がアメリカで活躍していましたが、彼らと交流ができたかといえば、そうでもなかったんですよね。
松井秀喜とはニューヨークとクリーブランドでそれぞれ1回ずつ食事をしましたが、松坂大輔とはロクに話す時間すらなかったはず。というのも、メジャーの試合前練習は各球団1時間程度と短く、投手も打撃練習中は外野守備に就かなければなりません。日本のように試合前にのんびり談笑という時間はそもそもつくりにくい。しかも、「ちょうど時間がつくれそうだ」と思ったら、翌日が先発だったりと、なかなか予定が合わなかったのです。
薮田安彦や岩村明憲とは1、2回、食事に行ったくらいかもしれません。メジャー30球団は広大な北米大陸各地に分散しているので、それこそ直接対決でもないと顔を合わせる機会がない。日本のように、関東で試合をやれば大体2、3球団はいる……という環境ではありませんからね。
イチローさんとはグラウンドで挨拶をしたくらい。そのとき、僕がふざけて「鈴木さん」と呼んだら、一瞬、面食らっていましたね。本名は鈴木一朗さんですが、日本でもアメリカでも「イチロー」で定着しており、「鈴木さん」と呼ぶ人は少なかったようです。