バイデン政権誕生ならいよいよ不透明感が増す「球団経営」
支持者に庶民性と親しみやすさを訴えかけるために野球を利用している側面があるとはいえ、バイデン自身に関する限り、球界への理解は浅くはない。
大リーグでは黒人選手や一部の球団経営者が民主党支持を公言しており、カブスの共同経営者であるローラ・リケッツは約21万ドル、レッドソックスの会長のトーマス・ワーナーは約9万ドルを大統領選期間中に民主党に献金している。
だが、ジャイアンツの経営者チャールズ・ジョンソンが一人で約320万ドルを共和党に献金しているのに比べれば、球界の民主党支持者が少数派なのは明らかだ。
■サンダースとの協力関係
しかも、大統領選を撤退したとはいえ、若者の間で高い人気を誇るバーニー・サンダースが、1980年代以来「球界は経営者優遇に偏っている」と批判していることも、球界にとっては民主党を支持しにくい原因の一つとなっている。
特にサンダースは大リーグ機構によるマイナー球団の削減問題について大統領選中から「これ以上ないひどい話」と批判し、政界の中でも反球団経営者の姿勢が顕著だ。