リオ金シルバ欠場も柔道女子57kg級は日本勢に追い風吹かず
昨年12月、リオ五輪女子柔道57キロ級金メダリストのラファエラ・シルバ(28=ブラジル)の薬物違反が確定し、東京五輪出場の道が断たれた。
シルバはこれまで世界選手権で2011年銀、13年金、19年銅メダルを獲得。女子柔道界を引っ張ってきた歴戦の猛者だ。同階級の東京五輪日本代表・芳田司(25=コマツ)も19年グランドスラム・バクーの決勝でシルバに敗れている。リオの女王が勝負の舞台から退いたことで、芳田は金メダルにグッと近づきそうなものだが――。
「楽観視はできません」と、1984年ロサンゼルス五輪男子柔道86キロ級の銅メダリストで、全柔連副会長を務める野瀬清喜氏はこう続ける。
「実のところ、女子57キロ級は男女全階級の中で一番の激戦区なんです。芳田は世界ランキング3位ですが、19年世界男女混合では7位のレオニー・シジク(22=フランス)に敗れています。他にも、テルマ・モンテイロ(35=ポルトガル)やヘドビグ・カラカス(30=ハンガリー)、ドルジスレン・スミヤ(29=モンゴル)、連珍羚(32=台湾)などなど、強い選手がひしめいています。ノーシードの選手でも油断できません」