菅野「巨人残留」は裏目? 元OB投手2人が挙げる多くの懸念
若手が台頭してチーム活性化
巨人にとっても実は、大エースの残留がマイナスに出る可能性がある。
同じく巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏がこう言った。
「絶対的なエースがメジャーに流出すると、古巣球団が強くなることがある。残ったメンバーに自覚が芽生えたり、若手が台頭してチームが活性化されるからです。ダルビッシュ、前田健太、菊池雄星の時がそうでした」
実際、ダルビッシュが日本ハムからレンジャーズに移籍した12年に日本ハムはリーグ優勝。前田が広島からドジャースに移籍した16年から広島のリーグ3連覇が始まった。菊池が西武からマリナーズに移籍した19年に西武はリーグ連覇を果たしている。この3人は菅野同様、ポスティングシステムを利用し、海を渡っている。
「12年の日本ハムは過去3年(09~11年)で勝ち星がなかった(計0勝11敗)吉川光が14勝(5敗)で防御率のタイトルを取ったし(1・71)、16年の広島は前年5勝(8敗)だった野村が16勝(3敗)で最多勝。19年の西武は前年2勝(1敗)だった高卒5年目の高橋が10勝(6敗)など、必ず誰かが台頭しています。巨人は菅野が流出することを見越し、DeNAから井納をFA補強した。ただでさえ少ない先発枠に菅野が戻り、出てくるはずだった若手の芽を摘むことになりかねません。モチベーションと言うのなら、菅野以上に若手、中堅のヤル気に影響しないか心配ですね」(前出の高橋氏)
実は「マイナス面も多い」というOBの指摘も一理ある。