2012年春のキャンプで“特殊”な投内連携を試してみた
話をキャンプの投内連係に戻そう。
2死二、三塁の想定で内野ゴロが飛ぶ。それを二塁手または遊撃手が一塁へ悪送球したケースだ。投手より一塁側への打球は、投手が一塁方向にスタートを切るため、一塁手が一塁ベースに入るケースなら、投手がバックアップに回る。投手より三塁側への打球は、投手がホームベースのカバーに入り、捕手が一塁後方のバックアップへ。一、二塁間への打球は、一塁ベースに投手が入るため、捕手が悪送球を処理し、三塁手がホームベースをカバーする。いずれのケースでも、捕手は本塁を空けないことがセオリーだ。
もしカバーがいないと、2点を失うタイムリーエラーとなる上、打者走者も得点圏に進んでしまい、3失点目のリスクが高まる。三塁走者が生還する1失点は仕方ないとして、2点目を防ぐフォーメーションなのだ。
前年まで監督を務めていたBCリーグ群馬時代に考案した。ボール1個の打球処理に対し、野手がどうベースカバーし、どうバックアップをするか。原辰徳監督がマスコミに「危機管理」と説明したように、このケースは年に一度あるかないか。それでも野球にミスはつきものである。ほころびを最小限に食い止めるための準備が大切なのだ。