G正捕手争い 打力大城、守備力小林に洞察力で対抗する男は
打撃面は打者有利のカウントでは、思い切りのいいスイングで長打を打つ小力がある。追い込まれれば、右方向を狙っていける。自身の役割が分かっている。
首脳陣に怒られても聞き流せる要領の良さがあり、物おじしない。兵庫県出身のひょうきん者で、いたずらっ子のようなところがある。いい意味で割り切れて開き直れる。プロ向きの性格だ。半面、大ざっぱな一面もある。捕手は大胆にして細心の注意が必要。現状、岸田にはこれが欠けている。
肉体的な課題は、硬い筋肉、股関節にある。当初は低く構えられず、捕球の際にミットを下から使えなかった。筋肉が硬いと疲労が蓄積しやすい。一年を通してみると、どうしても調子の波が出てしまうため、柔軟などで少しずつほぐすことを勧めた。今でも継続しているだろうか。
一方の小林は、筋肉と関節が柔らかく、これが強肩を生み、疲れにくいという長所がある。
岸田はチームのムードメーカー的存在。報徳学園高時代の2年秋から捕手に転向したそうだから、まだ経験が浅く、その分、伸びしろも大きい。レギュラーに這い上がる可能性は十分ある。
私も最初は捕手だった。新人の頃のカルチャーショックを思い出す。