G正捕手争い 打力大城、守備力小林に洞察力で対抗する男は
巨人の正捕手争いは、大城卓三と小林誠司の一騎打ちのように思われがちだ。しかし、原辰徳監督が能力を高く買っている「第3の男」がいる。
16日に一軍昇格を果たした4年目の岸田行倫だ。私が2019年に巨人のファームバッテリー兼打撃コーチを務めた際に指導した男で、打力の大城、守備力の小林、岸田を評するなら総合力だろう。
守備面はワンバウンドを止めるブロッキング技術が高い。二塁への盗塁阻止の送球は、予備動作の段階で左膝を動かせるように練習し、動きがスムーズになってからは、一軍で勝負ができるレベルになってきた。
リード面には「遊び心」がある。一度抑えると、どうしても同じ球種、コースを続けてしまう「安全策」の小林に対し、相手が嫌がる配球、意外な配球で打者の裏をかける。相手打者を見て感じながら配球を組み立てられるため、投手の色を引き出すことができる。
最大の特徴は、洞察力の鋭さにある。これは大城や小林を上回っており、原監督も岸田のそんな一面を評価している。