ヤクルト奥川は“使いながら育てる” 開幕ローテ入りの思惑
大抜擢と言っていい。
ヤクルト2年目の奥川恭伸(19)が開幕3戦目(28日=阪神戦)に先発する。実戦3試合目となる21日の西武戦は、5回途中3失点。今季最多の77球を投じた。高津監督は今後も一定の球数制限を設けつつ、一軍ローテへの定着を期待している。
昨年の奥川はキャンプ直前の新人合同自主トレで肘に炎症が見つかったことや、1年間はファームで育成する方針を固めていたこともあり、一軍登板は1試合のみ。二軍でも7試合登板、19回3分の2にとどまった。公式戦やフェニックスリーグでも100球以上を投げたことが一度もなく、体力や肩のスタミナの懸念はある。
ただ、ヤクルトは慢性的な投手力不足が続いている。今季は、昨オフにFA権を取得したエースの小川と抑えの石山が残留。先日は巨人から左腕の田口をトレードで獲得したが、それでも他球団と比べて物足りなさは否めない。
「奥川のボール自体はチームトップ級の球威、キレがあると言っても過言ではない。2019年ドラフトでは、3球団が競合する中、高津監督が自ら当たりくじを引いた。星稜高時代は甲子園やU18日本代表など、大舞台での経験も豊富。即戦力級の評価をしており、昨年も肘の異変さえなければ開幕ローテ入りが検討されていたほど。高津監督は投手出身でコーチ経験もある。自身の手元に置き、故障防止のために球数やイニングを制限しつつ、将来のエースとして使いながら育てたいようです」とは、放送関係者だ。