落合博満さんにこっそり聞いた「守備のポジショニング」
ただ、当時の近藤昭仁監督から私の指示について注意されたわけではなかった。さまざまな考え方がある中で、いったい何が正解だったのか、なかなか答えが見つからなかった。翌日も日本ハム戦が組まれていたこともあり、一塁の経験が豊富な落合さんに思い切って相談してみることにした。
「落合さんだったら、どう判断しましたか?」
時間にして2~3分程度だったが、「いろんな状況があるけど、そういう考え方でやったんなら、それでいいんじゃないか」と答えてくれて、胸のつかえが取れた。試合は常に動く。場面場面でどの選択が正しいのかどうかは、結果が出てみないとわからない。最善策をチョイスするには、多くの引き出しを持たなければいけないと思いながら、これまでやってきた。
落合さんはその年限りでユニホームを脱ぎ、6年後の2004年に中日の監督に就任。いずれは日本シリーズで戦いたいという気持ちもあったが、2010年にかなうとは、思いも寄らなかった。 =つづく