貧弱打線だった阪神が田中将大と涌井秀章に土をつけるとは
先日の阪神―楽天3連戦は実に興奮した。セパの首位同士の激突で阪神が3連勝という、虎党としては最高の結果に終わったことはもちろん、個人的には楽天の初戦先発が涌井秀章で、2戦目が田中将大であったことが胸を躍らせた。今季の楽天先発陣にはこの2人の他に岸孝之と則本昂大もいる。まるで一昔前のオールスターのような、いわゆるビッグネームだらけのローテーションだ。
正直、開幕前はこれが機能するとは思っていなかった。先述の4人は全員30歳を過ぎた往年のビッグネーム。投手としての格は田中将大を筆頭に4人とも圧倒的だが、みんな全盛期を過ぎているし、おそらく誰かが故障や不振に陥るなどしてファームが豪華になるだけだと勘繰っていた。かつてのFA大量補強時代の巨人(今もその傾向は残っているが)みたいになるのではないか、と。
しかし、これが今季の楽天ではそれなりに機能しているのだから、野球ファンとしては見ていて楽しい。もちろん4人とも全盛期の投球とまではいかないものの、なんとかローテを守って、豊富な経験と熟練の技術で試合をつくっているのだ。