アーチェリー男子個人・団体「銅」古川高晴<2>レジェンドを狂わせた大会直前の1カ月間
「僕の競技への自信は練習量から来ていますから、隔離された2週間で焦りは募る一方。『もっとたくさん練習をしなきゃ』と、できるだけ多くの矢を射ろうとした。これが間違いでした。普段よりも一本一本を放つ間隔が短くなるから、当然、雑になってしまう。その結果、気付かないうちにフォームが崩れていたんです」
隔離期間が終わると間髪を置かず、そのままNTCで7月1日まで日本代表合宿が行われた。
これを終えて所属先の近畿大学に戻り1週間ほど練習すると11日、直前合宿のためNTCにトンボ返りした。
■初めて経験した絶望の夜
「僕は普段、近大の山田秀明監督とキム・チョンテ・コーチから指導を受けています。しかし、近大を離れていた約1カ月間、直接アドバイスを受けることができなかった。微妙なフォームの崩れを修正できないままNTCから選手村に入り、本番を迎えてしまったのです」
さらに緊張も重なったことで、ドツボにハマったというのだ。