八村塁を追い詰めたヘイトメッセージと東京五輪 メンタルヘルスでNBAキャンプ初日不参加
米プロバスケットボールNBAの各球団が日本時間29日、一斉にキャンプイン。日本のファンにも馴染みが深いワシントン・ウィザーズも本拠地ワシントンDCで始動したが、日本代表SF八村塁(23)は初日に姿を見せなかった。
すでにチームから「個人的な理由」でキャンプインに間に合わないと発表されていたが、米メディアによれば「メンタルヘルスに時間を割いている」ためだという。
■コート外の大バッシングが心労に
アンセルドJr.ヘッドコーチ(HC)は詳細は明かさなかったが、八村は何かと心労が少なくない。今年5月には東海大でプレーする弟の阿蓮(21)のSNSに送られてきた「死ね、間違えて生まれてきたクロンボ。お前も兄もバスケがうまいだけのただのクロンボ」とのヘイトメッセージを公開。これに八村は「こんなの、毎日のように来るよ」と、日頃から人種に関する誹謗中傷を受けていると告白した。
富山県出身の八村兄弟はベナン出身の父を持つハーフだ。今年7月の東京五輪開会式では女子レスリング48キロ級の須崎優衣(22)とともに旗手を務めた。同じハーフで聖火に点火した女子テニスの大坂なおみ(23)とともに組織委が掲げた多様性の象徴として大役を任されたが、当時、人種差別的な文言がネット上を賑わせたのは記憶に新しい。