<10>鎌田大地が両親にプレゼントした新築2階建て7部屋の一軒家
「ダイチは非凡な才能を持った選手」と2006年ドイツW杯でクロアチア代表の主将を務めたニコ・コバチ監督に絶賛された鎌田大地は、独移籍直後のブンデスリーガ1部開幕戦フライブルク戦でいきなり先発。10年夏の香川真司(PAOK)のような大ブレークの予感を漂わせた。が、継続的に出番を与えられることはなく、欧州1年目はリーグ3試合出場にとどまった。「翌年はベルギーのシントトロイデンにレンタル移籍することになり、本人も得点で存在感を示さなければいけないという危機感でいっぱいでした」と父・幹雄さんは息子の胸中をおもんぱかった。
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欧州移籍した日本人若手選手は、往々にしてフィジカルの壁にぶつかるが、鎌田の場合も同様だった。開幕戦で華々しいデビューを飾った後に試合から遠ざかった間、彼は体力強化にいそしんだ。
「(試合に出られないのは)いらない時間。できれば、そういう時間を過ごすべきじゃない」とシントトロイデンで再起を図った18―19シーズンに本音を吐露した。
「だけどダメだったなりにすぐに(パフォーマンスを)戻していかないといけない。僕には目指しているところがある。そこに行けるように頑張ります」とも発言。1年で欧州5大リーグに戻る野心満々だった。思惑通りにシントトロイデンでは24試合出場・12点をマーク。同僚だった遠藤航(シュツットガルト)、冨安健洋(アーセナル)とともにステップアップのチャンスを得た。