体操・内村航平が引退決断で…日本のライバル中国が指導者“引き抜き”に虎視眈々
中でも熱心なのが、国際大会で長らく日本とライバル関係にある中国だ。
体操王国のひとつとして多くの名選手を輩出する中国も、ロンドンを最後に五輪団体金から遠ざかっている。先の東京五輪ではROC(ロシア・オリンピック委員会)、日本の後塵を拝して2大会連続銅メダルに終わった。卓球とともに体操を国技のひとつに位置付ける中国が団体での巻き返しを図るべく、日本の金メダリストをナショナルチームの指導者に招く可能性があるというのだ。
中国協会の上層部は、内村の技術はもちろん、団体総合での勝利に意欲を見せたメンタリティーを高く評価。19年には北京と東京で日中の代表メンバーによる合同練習が行われたが、これは内村の技術や勝利にこだわる姿勢を盗みたい中国側の思惑から実現したもの。中国体操界には依然として内村を信奉する若手が少なくないそうだ。
中国は、日本をアーティスティックスイミング(AS)で五輪6大会連続メダル獲得に導いた井村雅代氏を引き抜いた結果、今やロシアと並ぶ強豪に変貌した。内村が中国代表を指導すれば、ASのように立場が逆転されかねない。