巨人・中山礼都&中日・高橋宏斗 キャンプで飛び出したセ「高卒2年目」掛け値なしの評価
中山礼都(巨人 19歳・内野手)
昨季のセ・パ優勝チームでは「高卒2年目」が大活躍した。セ・リーグではヤクルトの奥川恭伸は9勝を挙げ、ポストシーズンで開幕投手を務めるなどチームの日本一に貢献した。今季もキャンプでイキのいい高卒2年目選手が出てきた。開幕一軍入りはもちろん、活躍も期待できそうなセ・リーグの2人をリストアップした。
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■まずは二塁、いずれは遊撃の座狙う「ポスト坂本」
「ポスト坂本勇人」が春季キャンプから帰京後も一軍に残留する。
キャンプでは実戦8試合で25打数8安打、打率・320と結果を残した。巨人は5日の札幌での日本ハム戦から約2週間の長期遠征に出る。元木ヘッド兼オフェンスチーフコーチは「連れて行く」と明言した。
50メートル5秒9、遠投115メートルと三拍子が揃う33歳・坂本の後釜候補だ。本職は遊撃ながら、現実的に試合に出場できそうな二塁の練習にも取り組んでおり、「任されたポジションで自分のできることをする」と意欲的である。
正二塁手争いは吉川が本命だが、北村、広岡、若林らがひしめく大混戦。「かたくなにショートというわけではない。ショートも守れるが、セカンドもという形が正しい。勇人だって最初はセカンドスタートだった」と高卒2年目で開幕「8番・二塁」の座をゲットした坂本を引き合いに出した原監督は「(プロ)2年生で守備も打撃も含めて堂々としている。実戦向きなのかなと、いい意味で驚いている。僕が大学2年生の時と比べると、はるかにいい」と賛辞を惜しまない。
ファームの首脳陣は「長所はバットコントロール」と口を揃える。高卒新人だった昨季は二軍戦の44試合に出場し、打率・309。9、10月は21試合の出場でリーグ最多の30安打を放ち、月間MVPを獲得した。
原監督はキャンプ終了時に「いい打者はバッティングカウントの真っすぐを逃さない。速い球をパーンと打ち返さないと」と課題を挙げた。
父・慎也さんは「ライトにはいい選手がいる。高橋由伸やイチローのような選手になるように」と「ライト」と名付けた。まずは開幕「セカンド」。近い将来、陰りが見える大黒柱の坂本から「ショート」のレギュラーを奪うつもりだ。
高橋宏斗(中日 19歳・投手)
新生立浪竜で20年ドラ1右腕の評価がうなぎ上りだ。
2月11日の紅白戦、同19日のDeNA戦で計5イニングを無失点。最速153キロのストレートは球威抜群で立浪監督も「先発投手で一番、力のある球を投げている」と目を細める。
■チーム屈指のパワー系コワモテ監督にも物おじしないメンタル
評論家のギャオス内藤氏が言う。
「紅白戦を見た時にこれは開幕ローテに入るぞ、と思ったくらいスピードと球威があるし、エース格の大野、柳に負けないくらい投げっぷりも堂々としていました。制球面を見ても、第1クールで落合ヘッド兼投手コーチが行った(『1セット10球×3』の)ストライクテストでも15球連続ストライクを決めた上に、試合でもボールを低めに集められる。落合ヘッド兼投手コーチはきちんとストライクを投げられる投手をどんどん使いたいと考えているはず。このまま開幕ローテの5、6番手に入り、1年間『裏ローテ』で回れば2ケタ勝てるくらいの期待は持てる投手です」
高橋は中京大中京時代、コロナの影響で甲子園大会が中止になったものの、高校生投手ではナンバーワンと言われた。
「エンジンが大きく、回を追うごとにギアを上げられるスタミナも十分。中京大中京は高橋が最上級生になってから2年秋の神宮大会優勝も含め、28戦全勝と勝ち運もある。明るい性格でお調子者の面もあり、精神力も強いと聞いています。ブルペン投球後に立浪監督に物おじすることなく『試合で結果を出します』と言ってのけるなど、プロ向きのメンタルを持っています」(中日OB)
3日のソフトバンク戦での先発を皮切りにオープン戦が始まる。
「2年目で若いですし、行けるところまで真っすぐでグイグイ攻めていってほしい」とは、前出のギャオス内藤氏だ。