阪神ハイタッチ練習不発で史上最悪17戦15敗…矢野監督にのしかかる“予祝”と“心労”の葛藤
「『止まない雨はない』というけど、止んでもまた雨が降る」
かつて、引き分けを挟んで10連敗以上の大型連敗を喫したチームの監督がこう漏らしていた。
矢野監督も同じ心境ではないか。昨14日の中日戦に敗れ、開幕から1勝15敗1分。5日のDeNA戦で唯一となる白星を挙げ、8日の広島戦で引き分け。9連敗のち、引き分けを挟んで6連敗。一瞬、雨は止んでも、すぐさま暗雲が立ち込める。
矢野監督はすでに今季限りでの退任を発表している。先日、藤原オーナーは途中辞任を否定したが、選手、コーチ、スタッフは矢野監督がいつギブアップするのかと、不安な気持ちを抱いているはずだ。
ある阪神OBは「矢野監督は簡単に途中で辞めると言わないと思います」と、こう話す。
「矢野監督はミーティングで選手に対し、病気に対して前向きに生きる人の映像を用い、『野球をやれる幸せを噛みしめよう』と訴えたこともある。予祝として、シーズン前に『優勝しました』と断言し、キャンプでは選手から胴上げされた。試合中止になった7日には、自己啓発本などを出版している実業家、講演家が甲子園でメンタルについて講演。試合前には勝利のハイタッチの練習をやっている。いくら勝てないからといって、シーズン途中で投げ出したら、格好がつきませんから」