伝説の10.19第1試合九回裏…守護神・吉井理人が判定に激高、球審に食ってかかろうと
その吉井が先発する日の新聞のテレビ欄を見たら、テレビ中継がある。これはもう録画するしかないと、吉井は録画のタイマー予約をして、「いってきますわ」と勇んで球場に出掛けた。ところが、テレビ中継は試合開始の1時間後くらいで、中継が始まったときにはもう、KOされてマウンドにいなかった。
私が「なんだヨシ、せめてテレビが始まるまでは頑張れよ」などと言う立ち位置だっただけにその年の8月、藤井寺球場の南海戦でプロ初勝利を挙げたときの喜びはひとしおだったに違いない。「事件」は吉井の初勝利の試合後、寮で一緒に食事をしている最中に起きた。(つづく)