巨人菅野が右肘の“爆弾”抱え「早期復帰」のウラ事情 泥沼5連敗中のDeNA戦登板で見えるもの
右肘の違和感で登録を抹消中の巨人・菅野智之(32)が、5連敗中のチームの窮地を救うため、12日のDeNA戦で復帰する。
4月29日の阪神戦で今季最短となる3回3安打2失点で降板。肘の変調を訴え、同30日に二軍落ちしていた。
今季は自身8度目の開幕投手を務め、球団史上最多を更新する開幕戦5勝目を挙げたものの、ここまで33回3分の1を投げ、3勝3敗、防御率3.78と本調子ではなかった。
桑田投手チーフコーチは抹消する際、「ちょっとスピードが出ていなかったので心配していた。肘に違和感があるということで、去年のこともあるし、早めに対処していかないと。シーズンに入ったばかりなので、大事に至らないようにするためにも、一度抹消しようということ」と説明していた。
■直球の球威がバロメーター、懸念される“痛みの残像”問題
巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言う。
「苦しんだ昨年と比べ、今年は決め球のスライダーのキレと精度が多少戻った感があり、開幕当初はそれで勝っていたところはあります。ただ、直球の球威は最初から戻っていない。そういう意味では、以前から違和感を覚えながら投げていた可能性はあると思う。全盛期だった2020年シーズンあたりまで、直球は常時150キロを超えていて、これがバロメーターだった。それが今では140キロ台前半から中盤が多い。変化球でごまかしきれなくなり、相手打線につかまるようになった。右肘は昨年痛めた箇所でもあるし、本人も完全に不安を払拭できていない中での復帰だと思う。投手にとって“痛みの残像”はなかなか消えないもの。腕を振る際、最後のところで思い切って球を切れなくなり、キレがなくなってしまう。菅野にとってこれは致命傷になりかねない。だから、過度な期待は禁物です」