Vまであと2イニングで同点弾…直球のサインにクビ振りスクリューボールを投げた理由
山下さんは信念をもった人だ。スクリューボールが危ないと考えていれば、私がクビを振ってもサインを変えなかったはずだ。実際、クビを振ってもサインが変わらなかったことはそれまで何度もあった。しかし、私がクビを振るとすぐにスクリューボールのサインが出た。
私も山下さんも最終的に、打たれても安打なら構わない、本塁打でなければいいという考えだったように思う。スクリューボールを選択したことに悔いはない。
フルカウントからの6球目、投じたスクリューボールは空振りを取った2球と比べればやや高かったとはいえ、さほど悪い球ではなかった。
けれども、まさかという結果が出てしまったのだ。(つづく)