巨人&広島が苦しむ「魔のイニング」…セ・リーグ2位争いは“八回の男”がカギを握る
3位広島にとってはまたも、「魔のイニング」となった。
勝てば2位に浮上する3日の巨人戦。5-5で迎えた八回だ。4番手の森浦が2死二塁から外角低めのカーブを吉川に左中間へはじき返され、これが決勝点となった。
広島は春先から「八回」に苦しんだ。4月に1イニング9失点の大炎上を喫するなど、勝利の方程式が確立できず、「魔の八回」と揶揄された。元広島投手コーチの川端順氏がこう指摘する。
「最近は左腕の森浦が主に務め、安定した投球を見せていました。巨人との初戦でも八回を走者を出しながらも無失点に抑えたし、防御率は1点台(1.71)で今回が初黒星なので、森浦は責められません。ただ、抑えの栗林につなぐ救援陣の整備は昨年から続く課題。ここがずっと不安定だから、リーグ3連覇を達成した時のような終盤の逆転勝利も減った印象です。投手陣の安定感と打線は密接にリンクしていますから」
■巨人も「八回の男」が不在
救援防御率が4点台でリーグワーストの巨人の課題も同じく「八回の男」不在である。新人守護神の大勢がリーグトップタイの23セーブを挙げているものの、その前のリリーフ陣がボロボロ。負け試合のイニング別失点では八回の34失点が最多。開幕から鍬原、デラロサ、ビエイラと取っ換え引っ換えして、最近は覚醒気配の平内が務めているものの、2日の広島戦で痛恨のサヨナラ弾を浴びるなど、絶対的な存在にはなっていない。