夏の甲子園の大本命・大阪桐蔭にひと泡吹かせるか? プロ注目の好左腕を擁する4校の名前
四国の2校にも注目
鳴門も力がある。エース左腕の冨田が大阪桐蔭を苦しめたのは前述した通りで、センバツ後もさらに成長。春の四国大会の初戦は昨秋の四国王者の高知を相手に10奪三振で完封。決勝は明徳義塾(高知)を下して優勝した。在阪球団のスカウトがこう言った。
「冨田は140キロ中盤のストレートに加え、スライダー、チェンジアップなどの変化球もキレがある。春の四国大会決勝の明徳義塾戦は延長十三回173球を投げたように、スタミナも豊富。しかも鳴門は冨田ひとりのワンマンチームではありません。『4番中堅』の前田一輝はプロ注目で、打線も活発です」
同じ四国の高松商(香川)にも可能性がある。
高松商といえば、昨年12月にイチロー(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が指導した高校。香川大会決勝で高校通算64号本塁打を放った主砲の浅野翔吾以下、昨夏の甲子園でベンチ入りしたメンバーが9人も残っている。エース左腕の渡辺和大もそのひとりで、マウンドにも上がっている。
「浅野は今年の高校生野手でナンバーワンの評価。ドラフト1位候補のスラッガーです。左腕の渡辺も我々のリストに載っています」(前出の在阪球団スカウト)
■決勝で2安打完封の2年生
1年生だった昨夏から横浜(神奈川)のエースナンバーを背負う杉山遥希も好左腕だ。まだ2年生のためプロ球団のリストには載っていないものの、「来年は間違いなくリストアップされる」とは在京球団スカウト。
神奈川大会決勝は東海大相模の強力打線を2安打完封、二塁ベースを踏ませない好投で、「高低、左右、緩急のすべてがよかった」と元横浜高野球部長の小倉清一郎氏も本紙コラムで絶賛した。同氏によれば「打線が奮起すれば2勝はできる。2年生が多いチーム。一戦一戦強くなっていけば、上位進出も狙える」という。