株式会社GSL社長 小野剛(2)恩師が導いてくれた引退後の第一歩…不動産会社入社3カ月目で売り上げトップに
株式会社GSL社長 小野剛(44歳・巨人→イタリア→西武)
2004年に西武入りした小野剛氏は、1年間のイタリア時代にある武器を習得していた。
「ブルペン投球中、直球がシュート回転するたびに首をひねっていた僕に、同僚の捕手がこう言ったんです。『直球よりシュート回転の方が打ちにくいだろ。球が曲がるんだから。それがおまえの強みだ』と。彼は元イタリア代表で説得力があった。ハッとしました。これで吹っ切れて、自信を持って投げられるようになったんです」
04年4月に一軍初登板を果たし、中継ぎとして4回1失点に抑えた。その年、自己最多の11試合に登板したが、05年は二軍暮らしが続いた。06年に一塁送球のイップスを発症したことも影響し、同年限りで戦力外となった。大半の選手が球団事務所に呼び出されて初めてクビを告げられるが、小野氏の場合は違った。
「信頼していた首脳陣に、『クビになるなら早めに教えてください』と頼んでいたんです。すると、シーズン終盤の二軍戦の登板日に『おまえクビだから』って。『登板前に言いますか!?』と衝撃を受けましたが、『おまえが先に言えって言ったんやろ!』と(笑)。事前に知らせてくれたおかげで、スムーズに引退後の準備ができました」