22歳の涌井が驚いた2009年決勝V打イチローの冷静「あの場面でガッツポーズしないなんて」
09年大会では第1、第2ラウンドでダブルエリミネーション方式(2敗した時点で敗退)が採用されていたため、韓国とは決勝戦を含めて実に5度も戦うことになった。
「僕らは5回も対戦する、という意識はなかったです。自分たちは一試合一試合を全部勝つつもりでやっていた。相手がどことかではなく、自分たちの野球をしようということだけでした」
■淡々としたイチローに「え? なんで? 興奮しないの?」
韓国との5度目の対戦となった決勝戦が最も印象に残っている。3-3の同点で迎えた延長十回、イチローが2点適時打を放つと、最後はダルビッシュが締めて2大会連続の栄冠を勝ち取った。
「1点リードの九回にダルビッシュが同点に追いつかれた時と、延長十回にイチローさんが打った(決勝点となる)タイムリー。たぶん、みんなそこじゃないですか。特にイチローさんの場面はすごく忘れられないですね。あの場面で打ったら普通は、ガッツポーズをするじゃないですか。でもイチローさんは一切しないで、(モノマネしながら)普通にこうやって、エルボーガードを外していた(笑)。自分はブルペンにいたと思うんですけど、『え? なんで? 興奮しないの?』って思いました。あの場面でガッツポーズしない人間なんて、たぶんいないですよ」