吉田正尚もっかWBC打点王「13打点」は大会新! マイアミで「5年120億円」の価値証明
吉田は日本球界では計7年で通算打率.327、133本塁打、467打点。さらに421四球、300三振と選球眼の良さにも定評があり、通算出塁率は.421である。
成績は申し分ないのだが、過去、多くの日本人野手がメジャーに挑戦しながら、夢破れたのも事実。日本球界時代より活躍した野手はイチローと松井秀喜と大谷くらいのものだからだ。
そんな不安を吉田はマイアミの地で吹き飛ばした。ある米球界関係者は「レッドソックスにとって、吉田の活躍は驚きでも何でもないでしょう」と、こう続ける。
「編成責任者のハイム・ブルームは、かつてレイズでその辣腕を振るった。徹底した育成計画と計算し尽くされた投資で、貧乏弱小球団のレイズをア・リーグ東地区の強豪に押し上げた人物です。2019年にレッドソックスに引き抜かれたのも、手腕を評価されてのもの。ワンマンではなく、優秀なスタッフを揃えた合議制を取っているのも特徴です。昨年はフロントが仙台での楽天戦を視察、左翼後方の観覧車から守備のデータを取っていました」
試合後は「自分を信じて強い気持ちで打席に入った」と話し、村上のサヨナラ打にも「しびれた」と笑顔を見せた吉田。ボストンの地元ファンも、172センチの「小さな大打者」にしびれるのは時間の問題だ。