仙台大“152キロ”無名1年生エース佐藤幻瑛の正体 大学選手権でスカウトの度肝抜く
「正直、ビックリです。高校時代は名前が出なかった。初めて見たけど、すでに二軍でそこそこやれるだけの実力があると思う。球威はもちろん、制球も変化球もいい。ピンチでも堂々としていたのも高評価です」
6日の全日本大学野球選手権でネット裏のスカウトの視線を集めたのは、仙台大(宮城)の1年生エース、佐藤幻瑛だ。
多くのプロ投手を輩出する同大の分厚い選手層の中、大舞台での先発に抜擢。桐蔭横浜大(神奈川)を相手に自己最速を3キロ更新する152キロの直球を武器に、5回3分の1を被安打3の無失点に抑え、勝利を手繰り寄せた。
出身校は地元の青森県立柏木農高。「球に力を乗せるのが飛び抜けてうまかった。筋肉や骨格なども見て、入学当初から逸材だと確信しました」と振り返るのは、1年時に監督を務めた五十嵐喜代敬教諭だ。筑波大時代に、史上初の国立大出身ドラ1(オリックス)となった杉本友氏とプレー、4年時は学生ヘッドコーチを務めた経歴を持つ。
「中学時代の佐藤は授業中に寝ていたりしたようで試合に使ってもらえず、私学からのオファーはなかったみたいです(笑)。練習態度はすごく良かった。こちらが止めるまでブルペンで投げ込んでいたし、ネットなどで熱心に投球の研究をしていた。素直で向上心があり、私が転任する際は『先生がいないと成長できない』と泣いてくれました」