大谷は疲労を考慮され中6日登板へ…休養増がタイトル奪取とPO進出にプラスこれだけの理由
エンゼルス・大谷翔平(28)のワークホース(馬車馬)ぶりが際立っている。
エ軍が61試合を消化した日本時間5日現在、12試合(71回)に登板し、DHで59試合(262打席=リアル二刀流含む)に出場している。次回登板は10日、本拠地アナハイムでのマリナーズ戦に決まったが、ここまで原則中5日のローテだった大谷にとって13試合目に初めて中6日のマウンドとなる。
その働きぶりは他球団のエース級や主砲と比べても遜色ない。リーグトップタイの9勝(1敗、防御率2.02)をマークしているレイズのエース左腕マクラナハンは13試合75回3分の2、100奪三振でリーグ1位のブルージェイズ・ゴーズマン(4勝3敗、防御率2.76)は12試合75回だ。
一方、打者としての稼働率は特に顕著で、リーグトップの19本塁打を放っているヤンキース・ジャッジは5月上旬に股関節を痛めて負傷者リスト(IL)入りしたこともあり、ここまで欠場は12試合。4日のドジャース戦で外野フェンスに激突しながら捕球した際、右足親指を負傷したため、ニューヨークの地元メディアによれば、6日に受ける精密検査の結果次第では今季2度目のIL入りする可能性もあるという。
DHのライバルであるアストロズ・アルバレス(打率.274、15本塁打、51打点)にしても、ここまで22試合で左翼の守備に就いているとはいえ、チームが59試合消化した時点で出場は53試合。首を寝違えるなどして、すでに6試合休養している。
■休養はたったの2日
大谷は今季、3月のWBC出場に向けて例年よりも早い始動を強いられながら、休養はわずか2試合。メジャーの野手全体を見ても、59試合以上出場しているのは25人しかいないのに大谷は投手もしてフル回転しているのだ。驚異的なスタミナの持ち主である大谷であっても、疲労がピークに達していたとしても不思議ではない。
NHKの大リーグ中継で解説を務める評論家の武田一浩氏がこう言った。
「今季は下位の打者相手に力を抜いて投げるなど、打者の強弱に応じてメリハリをつけています。リアル二刀流3年目にしてマウンドでの力の入れ加減を掴んだのでしょうが、春先から急ピッチで仕上げた疲労の色は隠せません。今季、死球が多い(リーグトップの8個)のは疲れから満足に体が動かないため、制球にも影響を及ぼしているのではないか。投手は疲労がピークに達すると楽に抑えようと変化球に頼る傾向がありますが、抜けた球でぶつけたり、甘いコースへの失投も増えるため、長打のリスクが高くなる。今季は故障の不安はないと思いますが、投打のパフォーマンスを優先するなら、休養も必要でしょう」