来夏パリ五輪は地獄の熱波 陸連は「第2の鈴木雄介」を懸念…19年に競歩初の金も疲労2年抜けず
日本列島は連日の酷暑。17日は山梨の勝沼で38.8度を記録したが、近年は欧州の暑さも異常だ。
■8月の世界陸上より怖い
来月、世界陸上(ブダペスト)が開催されるハンガリーでは昨年7月、最高レベルの猛暑警報が発令され、農作物に大きな被害が出た。今年はそこまでの暑さではないが、欧州各地ではエルニーニョ現象により記録的な暑さに見舞われており、今後も熱波が続くとみられている。
来年の7月26日に開幕する五輪の舞台となるパリも暑い。日中は30度を超える日も珍しくない。科学誌ネイチャー・メディシンに掲載された研究論文によれば、昨夏の熱波で欧州は約6万2000人が死亡したと推定。フランスは4807人が命を落とした。
ある陸上関係者が言う。
「パリ五輪の暑さ対策はどの国も早くから力を入れているはずです。中でも日本陸連は鈴木を潰していますからね」
鈴木とは2019年にドーハで行われた世界陸上50キロ競歩で金メダルに輝いた鈴木雄介(富士通)だ。暑さを避けるため午後11時30分という異例の時間にスタートしたこのレース、鈴木は気温31度、湿度74%という過酷な条件の中、終盤は脱水症状にも耐えながら、五輪、世界陸上の競歩で日本勢初の金メダルに輝いた。