オリ山本由伸の唯一の不安は“エンジンの大きさ”だ 数々の障害を乗り越える体力はあるか?
現在の防御率は1.78。通算防御率が1.93というのも秀逸だ。150キロ台中盤の速球に、多彩な変化球。制球もいい。
メジャーでも試合をつくれる能力は間違いなくあるとみているが、ただひとつ不安があるとすれば体ではないか。
野茂英雄に始まり、佐々木主浩、田中将大、ダルビッシュ有、大谷翔平……メジャーである程度の期間、活躍した投手はみな体が大きい。車でいえばエンジンの部分、つまり排気量がデカいのだ。過酷な移動、中4日の登板間隔、移籍直後はマウンドやボールの差異も大きな負担になる。そういったさまざまな障害を乗り越えてなおかつ結果を出し続けるには、基本的な体の強さが必要になる。
178センチ、80キロ。野球選手としては決して恵まれた体格ではない山本に、数々の障壁を乗り越えるだけの体の強さがあるのかどうか。
ただでさえ山本には右肘や左脇腹を痛めた故障歴がある。メジャーと比べて日程や登板間隔が恵まれた日本のプロ野球で体が悲鳴を上げた点はマイナスと言わざるを得ない。178センチ、86キロの今永もまた、左肩を痛めた経験があるだけに、同様に心配だ。
日本では主に山本と今永をチェックするつもりだが、ともに登板は火曜日。一度に2人をチェックするわけにはいかないので、1週間以上は滞在するつもりでいる。
(メジャーリーグ覆面スカウト)