侍J・井端弘和新監督は来年までの“つなぎ役”…有力視される「26年WBC監督」は原監督か岡田監督か
読売の意向が反映
そんな中、早くも「ポスト井端」の有力候補に挙がっているのが、巨人の原監督だという。球界OBがこう言う。
「球団史上初の同一監督による2年連続Bクラスに終わる可能性が高い原監督はこのオフ、契約を1年残して退任する可能性もありますが、09年のWBCでは巨人監督との兼務で代表を率い、世界一に輝いた実績がある。本人も、侍監督の再登板にも関心を示しているといわれています」
侍ジャパンの運営会社である「NPBエンタープライズ」の初代を除く歴代社長は、WBC東京ラウンドの主催を務める読売新聞グループの出向者が務めている。
「つまり、侍ジャパンの運営は、読売の意向も反映されるということ。しかも、侍ジャパン強化委員会の委員長を務め、代表監督人事を遂行するNPBの井原事務局長は読売新聞出身で、巨人の国際部長を務めたこともある」(同)
■最も勝たせる手腕
原監督にとっても、代表監督の椅子を用意されれば、顔が立つだろう。
「しかし、懸念材料はあります」とは、前出の球界OB。
「原監督は09年大会を率いた前年、阪神に最大13ゲーム差をつけられながら、大逆転優勝を果たした。監督として最も脂が乗っていた時期だったといえます。今季は2年連続でBクラスに低迷。リリーフを酷使する投手起用に加え、選手、コーチとの関係もここにきて亀裂が生じているともっぱらです。その手の話は他球団の選手にも伝わっている。同じ契約切れの監督から選ぶのなら、適材適所の選手起用など、卓越した手腕で阪神を優勝に導いた岡田監督の方が勝つ確率が高く、チームもまとまるのではないか」
実は岡田監督、オリックス監督時代にその手腕を高く評価していた当時の熊崎コミッショナー(故人)から13年WBC監督のオファーを受けている。しかし、これを固辞。仮に来年、侍ジャパンが監督就任要請をしても、実現する可能性は低いかもしれないが、岡田監督が今の球界で最も勝たせる監督のひとりであることは間違いない。
世界一の実績を重視した「原ジャパン」か、勝ちにこだわる「岡田ジャパン」か……。26年WBCを率いる侍監督人事はこれから本番を迎える。