小久保新監督にできるかソフトB再建 7選手クビで支配枠空けても、今オフ大補強なら育成停滞
「将来の監督候補」といわれて幾星霜、ようやくその順番が回ってきた。23日に就任会見を行ったソフトバンク・小久保裕紀新監督(52)のことだ。
選手としては通算19年で2041安打、413本塁打、1304打点、打率.273。実績もさることながら、リーダーシップに優れ、練習量や野球に取り組む姿勢は周囲からも一目置かれていた。とはいえ、2021年にヘッドコーチとして古巣ホークスに復帰するまで、指導者経験は皆無。同年、チームは4位で、日本代表監督として臨んだ17年WBCは準決勝敗退だった。
昨季から二軍監督に異動。球団OBは「とにかく厳しく、メディアの前で選手の個人批判も辞さない鬼軍曹。最初は選手から煙たがられていたが……」と、こう続ける。
「時間と共にその関係性も変わってきた。厳しいけど理不尽ではないし、卓越した打撃理論をはじめ、言葉に説得力がある。選手も徐々に小久保監督に感化されるようになり、今季のウエスタン優勝で、さらに信頼を深めることになった。むしろ、ここ2年であまり接点がなかった一軍選手たちの方が、『厳しい』という評判に戦々恐々としているくらいです」
■実績ある選手たちを次々にクビ
そんな新指揮官の就任会見前日(22日)、ソフトバンクからビックリ仰天の発表があった。7選手の戦力外通告だ。
元守護神の森唯斗(31)、左腕リリーフの嘉弥真新也(33)、かつて外野のレギュラーを張ったこともある上林誠知(28)、15年ドラ1で19年に中継ぎとして45試合に登板した高橋純平(26)、強肩捕手として期待された16年ドラ3の九鬼隆平(25)、19年ドラ1の佐藤直樹(25)、日本ハムから現役ドラフトで昨オフ移籍の古川侑利(28)。嘉弥真と上林は今季のCSにも出場していた。
7人いずれもバリバリのレギュラーではないが、それぞれ実績があったり、ドラフト上位で期待が高かった選手揃い。ソフトバンクの中継ぎ右腕・又吉がX(旧ツイッター)で「まじか。」とつぶやいたのも無理はない。
中でも森は年俸4億5000万円、嘉弥真は同1億6000万円の高給取り。それがいきなりクビなのだから、まるで21年に日本ハムが大田(現DeNA)や西川(前楽天)らに行ったノンテンダー騒動さながらだ。